2014年9月24日水曜日

時計。

こんばんは!

昨日はGOOD LUCK COFFEEさんにて初めてのワークショップ。
始める前はちょっと緊張しましたが、参加者の方々とも打ち解けられ
すごく楽しい時間が過ごせました。

皆さんとFacebookで繋がらせていただいたのですが、
お店に戻ってからページをちょっと覗かせてもらったところ、
その中のお一人の旦那さんの画像に見覚えが・・・

ん?そういえば、この名字・・・もしかして???


と思っていると、その方が旦那さんとお子様を連れてご来店くださいました。



あ〜やっぱり!!



その旦那さん、20年くらい会っていなかった旧友でした。


世間は狭いですね。
まさか旧友の奥様だったとは!
ビックリでした。


それにしても20年も会ってなくても分かるものなんだな〜、と
それも驚きでした。


と、記憶の中の時計の針が巻き戻ったということで
今日は、時計のお話を。

























この時計、誰もが知っている日本の某一流メーカーのものです。

父が会社をやっていた時から事務所にず〜っと掛かっていて、
年齢は40歳近い代物。
会社が移転してから2階は倉庫となり荒れ放題に。
それでも、ずっとそこに掛かっていました。

2階を改装する時にこれを見つけました。
まじまじと見ると、
無骨な業務用な感じといい、ちょっと色あせた感じといい、
なんか味があっていいな〜、と思うようになり、
なにより父の会社をず〜っと見て来た時計だから
捨てるのも忍びないので使うことにしました。


で、電池を新しいのに変えようとしたら・・・
電池の液漏れが原因で接点のところがボロボロ。
全然使えない状態でした。


あ〜あ、残念、と思ったのですが、
ここは一流メーカー様の製品。
修理可能か問い合せをしてみようとカスタマーセンターに電話しました。


品番を告げると、1970年代のものとのこと。
修理できますか?と聞くと部品がないから無理との回答。
そりゃ、そんな昔のなんて部品は無くて当然だよね。

でも、時計ってホビーショップなどで自作のをつくるために
ムーブメントだけ売っているじゃないですか。
だから、これも文字盤と針だけ生かして、
新しいムーブメントを付けりゃいいだろう、と思って
そんな修理ができないものか聞いてみたのですが、
やはり「不可能」との回答。


「せっかくお電話いただいたのですがまことに残念です。」


と、電話口のお姉さんの対応は一流企業らしく、
顧客に対する気遣いを感じさせるものでしたが、
その回答は、私としては全く納得できないものでした。


そうか〜、修理不可か〜、ガッカリ。


と思ったものの、どうせ捨てるのならば、と
Amazonで千円ちょっとの時計のムーブメントを買ってみました。


翌日それが届いて、いざ修理。


時計なんて今まで作ったことは無かったのですが、
小学生が夏休みの工作なんかでも作ったりするし、
文字盤挟み込んで針を取り付けるだけの単純なものなんだから
何とかなるだろうとチャレンジしてみました。

文字盤の枠とガラス、それから針を外し、古いムーブメントを撤去。

そこに新しいものを合わせてみると・・・



古いものは文字盤の裏にビス止めされていたのですが
そこにそのビスが止まる出っ張りがありました。
でも、新しいものは形状が違うのでその出っ張りが邪魔で取り付けられない。

で、その出っ張りをカット。
新しいムーブメントはビス止めでなく、
文字盤をナットで挟み込むだけの作りでしたので、
その出っ張りはカットしても大丈夫でした。

いとも簡単に新しいムーブメントは取り付けられ、
針とカバーを戻し電池を入れ、動くかチェック。





ふつう〜に動きました。



なんだよ、すげ〜簡単じゃん!!



確かに、古いのとは形状が違うのでちょっとした細工は必要でしたけど
メーカーの言う「同じ部品がないから」なんてのは、
全くもって小さい支障でしかなかったです。

素人の私がいとも簡単に修理できたのですから。


時計を放置して電池を液漏れさせておいて
偉そうなことを言えないのは重々分かっているのですが、
それでも日本を代表する一流メーカーがこんな簡単なことでさえも
「部品が無いのでできません」と機械的に答えてしまうことに
少し寂しさを感じました。

40年近くも前の、しかも骨董的価値もないような時計にいちいち対応してられない、
というのは企業経営の上では理解しますが・・・
でもね・・・ちょっと寂しい対応だな。


今回の時計、
「意外とかっこいいじゃん!勿体ないから使おうかな」くらいの軽いノリでしたので、
メーカーの対応にそこまでの怒りはないのですが、
もし、もっと思い入れのある時計を修理したい人が同じような対応をされたら
すごく悲しむだろうな、と少し考えてしまいました。



日本語の「モッタイナイ」が世界語になっているとも聞きます。


世界的に名を知られている日本の時計メーカー。
ここぞとばかりにモッタイナイ精神を見せてくれ、
もっと粋な対応をしてくれたら「お〜!やるな!」と大ファンになったんですけどね。

どこまでのことをするか、難しいところではあります。

ウチもお店として何でも出来るって訳ではないですが、
出来る限りお客様の気持ちに寄り添ってさしあげたいな、とは思いました。



ほんと、この時計の修理が思った以上に簡単だっただけに、
いろいろと考えさせられる一件ではありました。

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